大企業に入っても人生安泰じゃない【優秀な人から辞めていく】

大企業の長短

就活をしているときは、「大企業に入ったらとりあえず人生安定するよな…」と思っていました。しかし、今の時代の流れや、実際に大企業に入ってみて分かった様子から、それは大きな間違いだと分かりました。

社内でしか通用しないスキルしか身に付かないまま、いきなり45歳でリストラや給与ダウン…というのは大きなリスクになるので、これから何をすべきかについても考えてみました。

以下で詳しく解説をしていきます。

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大企業に入っても人生安泰じゃない

親の世代は「年功序列・終身雇用が当たり前」という価値観ですし、世間からの評価も「安定してるね、良かったね~」といったものになります。

この記事で言いたいのは、新卒で入社した大企業が40年後に生き残っている保証や、40年後にも会社が自分を雇ってくれている保証はどこにもないということです。

もちろん、大手企業ならば今現在の企業体力や給与体系は中小企業やベンチャーに比べて安定しています
コロナショックに対しても、月給が減ることはなく安定した収入が得られます。
(ボーナスは少し減るかもしれません。)

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大企業の実情【安定には程遠い】

所謂大手SIerに入社し、危機感を覚えたのでポイントを以下にまとめていきます。
筆者のプロフィールは以下です。

筆者のプロフィール

  • 大手SIerのSE
  • 2019年に新卒で上記の会社に入社し、2年目に突入

大企業で感じた危機感①:優秀な人から辞めていく

入社して色々な同期や先輩を見ましたが、残念ながら優秀な同期や先輩ほど「大企業が安泰じゃない」というのが分かっており、転職前提で働いています

ここで言う「優秀」というのは以下です。

  • ITへの理解が深く、AIなどの専門性を持っている人材
  • 周囲と上手くコミュニケーションが取れ、組織の中で自分の役割を見つけることができる人
  • 学習速度が速い人
  • 頭の回転が速い人

こういう人が同期の中で出世頭なのだろうな、と思う人達ですし、数十年前に入社したら彼らは会社の中で偉くなっていたのでしょうが、彼らはほとんど転職前提で入社をしています。彼らは具体的なキャリアプランを描いており、それを実行する能力もあるため、10年後に会社に残っている人はほとんどいないでしょう。

実際に私が勤めている近くの部署でも、技術力とリーダーシップの両方を持って周りから頼りにされている人が辞めていきました。このまま優秀な人達から辞めていく会社は大丈夫なのかと危機感を覚えます…。

(恐らくどの会社も多少はそうなのだと思いますが、数十年前は大企業ではこのようなことはここまで起こっていなかったと予想できますし、大企業が一部の優秀な人たちによって支えられている組織なのは明らかです。)

大企業で感じた危機感 ②:スキルが身に付かない人事制度

大企業だと一人一人の作業が細かく分担され、他に活かすスキルを身に付けられない業務を強いられることも。

さらに、新卒の総合職一括採用である場合、自分の専門性や強みを全く活かせない配属が行われるリスクがあります。

せっかく大学院で頑張って研究を行ったり、自ら努力したりして身に付けた強みがあっても、実務経験がなければ転職市場で価値が下がったり、3~5年で陳腐化してしまう可能性があります。

いわゆる大企業の「新卒ガチャ」の実態と、万一それに失敗してしまった場合にどうすべきかを下記の記事に書いたので、是非ご覧ください。

下で述べますが、十分にスキルが身に付かなかった人たちを企業はもう救ってくれないのです。

【闇の実態】大企業やSIerの新卒ガチャについて思うこと
大手のIT企業に入社して新卒ガチャを乗り越えたので、自分の周りで起こったことやガチャの種類・理不尽だと思ったことなどの実態を赤裸々に語ります。大手企業やSIerの新卒ガチャの実態を知りたい方は、是非ご覧ください。
大企業の新卒ガチャ対策の3つの方法と、外れた場合の対処
大手のIT企業に入社して新卒ガチャを乗り越えた経験から、自分や周りの状況を分析し、希望通りの部署に配属されやすくなる方法を解説しました。また、もしも希望通りに配属されなかった場合に転職すべきか否かという疑問にもお答えします。

大企業で感じた危機感 ③:45歳以上のリストラが続く

「大手SIer」と呼ばれるところだと、2018年~2019年に富士通、NECがリストラを行っていましたね。

募集・応募人数は、富士通(グループ会社含む)が応募2850人で最多。成長領域のITサービスなどを強化し、間接部門の効率化を目指す「成長に向けたリソースシフト」の一環として実施しました。

富士通、2850人リストラ…「終身雇用終了」宣言で上場企業の人員削減に拍車

NECは29日、45歳以上で勤続5年以上の従業員を対象に実施した希望退職に2170人が応募したと発表した。照明事業からも撤退する。取引先への転籍や事業売却を含めると、来年春までに合計約3千人がグループを去る。一連の人員削減による収益の改善効果は年度換算で約240億円を見込む。

間接部門やハードウエア部門の一部で希望退職を募った。

NEC、希望退職に2170人応募 照明事業から撤退も 2018/11/29

また、経団連の会長も「終身雇用は維持できない」という発言をして話題になりました。

経団連の中西宏明会長が、新卒学生の通年採用を拡大することで大学側と合意する一方、「企業は従業員を一生雇い続ける保証書を持っているわけではない」と発言して(4月22日)大きな話題となっている。終身雇用を前提とした採用は難しい、あるいは雇用を守るために事業継続をすることはできない、という意味で、「終身雇用は守れない」ということだ。

「終身雇用を守れない」発言の経団連への提言

あのトヨタの社長ですら同じような旨の発言をして話題になりましたから、今後もこのようなリストラは続いていくことが予想されます。

また、最近のリストラの傾向として、経営悪化が原因で倒産を回避するためのものではなく、業績が良いうちに配置転換を行っておきたいという理由で早期退職者を募集している場合が多いです。

いくら会社の業績が良くても、早期退職がいつ自分の身に降りかかるかは分からないのです。

大企業で感じた危機感 ④:年功序列から実力主義へ

大企業で、これから「ジョブ型雇用」への転換が行われることが予想されます。

日本的雇用システムでは専門性を持たないノースキルの新卒の学生でも採用されるが、欧米では専門スキルが重視される。そして給与もジョブで決まる(職務給)。年齢は考慮されず、どんな職務を担当しているかという仕事の内容と難易度(ジョブグレード)によって決まる。もちろん仕事と関係のない扶養手当や年齢給、持ち家の有無で決まる住宅手当など属人的手当もない。また、同じ職務にとどまっている限り、25歳と40歳の給与は変わらない。給与を上げようと思えば、がんばって職務レベルを上げるか、給与の高い職務にスイッチするしかない。

2020年は日本の雇用システム大転換の年か ジョブ型・大量早期退職の時代へ

ジョブ型雇用では、長く勤めていれば年次と共に給与が上がっていくわけではなく、職務のレベルを上げるしかないです。

この先何年後に完全にジョブ型雇用に切り替わるのかは分かりませんが、転換したときにスキルが身に付いていなければ、年齢が上がっても給与は低いままになってしまいます。

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安定したキャリアを築くにはどうしたらいいか?

じゃあ一体どうすればいいんだ、という話です。
大企業がこのような状況にあり、自分が決して安泰ではないと知っているだけでかなりリテラシーが高いと言えますが、更に以下の対策が必要でしょう。

  • 新卒ガチャが上手くいかなかったら転職する
  • 将来性のある仕事を選ぶ/自ら仕事を生み出す
  • 自分の市場価値を冷静に見極める

新卒ガチャが上手くいかなかったら転職する

社会人の最初の3年間くらいを、将来性のない仕事や自分の専門性や強みを活かせない仕事に費やしてしまうのは非常にもったいないと思います。

転職して思い切って自分のやりたいことに挑戦し、スキルを伸ばすというのが一つの選択肢です。リスクを負っているように見えますが、努力次第では大企業に勤め続けるよりも自分のキャリアを安定させる第一歩になりえます。

将来性のある仕事を選ぶ/自ら仕事を生み出す

大企業には今は既得権益で仕事を持っているけれども、この先先細りしていくだろうな…という仕事も多く存在します。例えば、金融系のメインフレームやCOBOLを使ったシステムなどは良い例でしょう。

このような仕事ではなく、将来性のある仕事や他社でも通用するような仕事を選ぶことが大切です。(実際選べるかというのは中々難しい問題です。具体的な手段としては社内公募などを使って異動するか、転職するかでしょうか。)

また、「自ら新しいビジネスを企画する」「お客さんのニーズを聞いて提案する」など、新しく仕事を生み出して結果を出せれば、この先どこでもやっていけるのではないかと思います。

自分の市場価値を冷静に見極める

直近で転職するつもりがなくても、転職サイトに登録したり、市場のトレンドをリサーチすることは有効です。
社内でのみ通用するスキルや、今の仕事でしか活かせないスキルを身に付けて満足するのではなく、社外で必要となるスキルを意識しましょう。

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まとめ

世の中が劇的に変わろうとしていて、つくづく大変な時代だな…と思います。

大企業に入って安定していると思い、今の仕事がいつまでも続いていると思っている人がかなりいます。私も危機感を覚えながらも転職までは踏み切れていないというのが現実なので、これからのキャリアプランについて、このブログを読んだ人と一緒に考えていきたいなと思います。

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