基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違い【IT初学者ほど応用から】

応用情報技術者試験(AP)

「基本情報技術者試験と応用情報技術者試験はどこが違うの?」
「基本と応用って書いてあるからとりあえず基本から受けた方がいいの?」
という疑問にお答えします。

この記事では、基本情報技術者試験(FE)と応用情報技術者試験(AP)の試験形式や難易度の違いを解説していきます。さらに、文系の方やIT初学者の方が基本情報技術者試験を飛ばしていきなり応用情報技術者試験を受験して合格できるのか?という疑問にもお答えします。

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基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違い

試験形式の違い

出典:IPA『試験要綱Ver.4.4

試験時間と問題数は変わらないです。
午前問題が80問全問必須の四択の選択式、試験時間は150分です。

また、合格ラインも同じで、得点率が午前午後のどちらも60%以上となることです。

違いがあるのは午後問題で、150分で11問中5問を解くのは共通ですが、
基本情報技術者試験は選択式、応用情報技術者試験は記述式となります。

出題される分野の違い

午前問題は同じ

午前は出題分野は変わらないです。テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3つの分野から出題されます。また、どちらの試験もセキュリティが出題範囲のうちの重点分野に指定されています。

基本情報技術者試験の午後問題

出典:IPA『試験要綱Ver.4.4

令和2年の春試験から午後問題の形式が一部変更されたようですね。
(令和2年の春試験は幻となりましたが…)

  • 問1の「情報セキュリティ」と問6の「データ構造及びアルゴリズム」が必須問題
  • 問2~5から4問中2問
  • 問7~11のC,Java,Python,アセンブラ,表計算ソフトの問題の中から1問選択

となるようです。

配点は問1が20点、問2~5の選択2問が15点×2の30点、表6が25点、表7~11の選択1問が25点で、計100点満点です。

後半のデータ構造及びアルゴリズムと言語+表計算の問題の配点が高くなっています。

応用情報技術者試験の午後問題

応用情報技術者試験は、情報セキュリティのみ必須問題であり、他の10分野から4問選んで出題されます。

配点は全て20点×5の計100点満点です。

合格率の違い

それぞれの試験について、令和元年度秋期のデータは以下になります。

試験名応募者数受験者数合格者数合格率(%)
基本情報技術者試験 91700 66870 1906928.5
応用情報技術者試験 50,643 32,845 7,555 23.0

(出典:IPA『統計資料(令和元年度)』)

※合格率=合格者数/受験者数

合格率については基本情報技術者試験の方が高いですね。
体感ですが、過去を見ても基本情報技術者試験の方が平均値が5~6%くらい高いでしょうか。
難易度については以下の記事で解説していきます。

応用情報技術者試験の過去の難易度や必要な勉強時間については別の記事で紹介していますので、そちらをご覧ください。

応用情報技術者試験の難易度と必要な勉強時間【合格体験記】
応用情報技術者試験(AP)に申し込んで十分な時間勉強できるか、合格できるか疑問に思っていませんか?応用情報技術者試験(AP)の難易度や合格率、合格に必要な勉強時間を、実体験をもとに解説します。
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基本情報技術者試験を受けずに応用情報技術者試験を受けてもOK?

文系やIT初学者は応用から受験すべき

結論ですが、基本情報を飛ばして応用情報を受験しても大丈夫です。
受験資格の制限などはないので、基本情報を飛ばして応用情報を受験することは可能です。

むしろ、アルゴリズムやプログラミングに縁がなかった文系の方やIT初学者の方ほど応用情報の方が解きやすい傾向にあり、基本情報よりも受かりやすいです。

わざわざ受かりにくくて資格として証明できる能力が低い基本情報を受ける必要はないのではないか、というのが私の結論です。

以下で理由を説明します。

理由①:応用情報に比べて基本情報を持つ意味は薄いから

理由の1つ目ですが、(実態はそうなっていなくても)「基本」と「応用」と名前がついており、対象者像やレベル対応も名前に対応してレベルが異なっています。

  • 基本情報技術者試験の対象者像:高度 IT 人材となるために必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者
  • 基本情報技術者試験のレベル対応:共通キャリア・フレームワークのレベル2
  • 応用情報技術者試験の対象者像: 高度 IT 人材となるために必要な応用的知識・技能をもち,高度 IT 人材としての方向性を確立した者
  • 応用情報技術者試験のレベル対応:共通キャリア・フレームワークのレベル3

箔をつけるという観点で、応用情報を受けた方がお得です。

また、IT業界でSEや開発として働いている人や働くことを目指す人なら応用情報は取っておいた方が良いのではないかと思います。ゆくゆく両方受けることになるなら、応用情報だけにした方が時間と受験料の節約になります。

私は大手のIT企業で働いていますが、社内で奨励金が出るのは応用情報のみですし、基本情報を持っていても評価されない雰囲気です。(応用情報を持っているから何か起こっているというわけでもないですが…)
上司に「何か資格持っている?」と言われて応用情報ならば答えられるといったイメージでしょうか。

理由②:午後問題が応用情報の方が解きやすいから

基本情報のアルゴリズムやプログラミングの問題が鬼門

上記で解説したように、基本情報の午後問題は分野ごとに選択しなければいけない大問の縛りがあります。

何が問題かというと、問6の「データ構造及びアルゴリズム」、問7~11の「ソフトウェア開発」の難易度が高いことです。
令和2年の春試験から形式が一部変更されて解答数が減って負担が減ったと思いきや、上記の問2つで100点中50点を占めるため、安定して点数を取ることが出来ないと合格が遠のいてしまいます。

選択式でもプログラムの穴埋め問題は6択とかが普通に出てくるので確率で打ち勝ちにくいです。問題に癖があるので、IT初学者の方が基礎知識がない状態でこの問題を対策しようとすると相当辛い戦いになるのではないかと思います。

私は大学生の頃にある程度プログラミングをやっている状態で基本情報を受験しましたが、プログラムの穴埋め問題がかなり苦手で苦戦しました。超ギリギリ合格でした。

応用情報の記述問題は国語の問題 恐れる必要なし

基本情報とは異なり、応用情報は1問目の情報セキュリティの必須問題以外は10問中5問を自由に選ぶことができます。

ストラテジ系・マネジメント系はほとんど問題文から読み取る問題です。
ITにまだ馴染みがない方はアルゴリズムやネットワークなどのテクノロジ系の問題を避けて上記のような問題を選べばよいですし、ITの専門知識がある方はテクノロジ系を多く選択することでかなりの高得点を狙うことができます。

応用情報の午後問題のそれぞれの分野の難易度の解説や記述問題の解き方を別の記事に紹介しています。

【午後問題編】応用情報技術者試験に最短で合格する勉強法
応用情報技術者試験を取りたいけど勉強時間が無いという方や、午後問題の記述の書き方が分からなくて不安な方のために、効率の良い勉強方法や解く分野の選び方、記述の書き方を解説しました。やらなければいけないことを最小限に絞って解説しているので、是非ご覧ください。

ちなみに午前問題の難易度ほとんど変わらないです。

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まとめ

応用情報の方がオススメ!という記事でした。

試験の名称から基本情報から受けないとダメな気がするし、私もそのように受けた一人ですが、大変な上に応用情報を取ったら基本情報があってもなくても変わらないので、過去に戻れるなら応用情報から受けたいです。

基本情報と応用情報のどちらを受けようか迷っている人の参考になれば良いなと思います。

あと、基本情報の試験形式が変わったのをこのブログを書くために調べて初めて知りました。
また機会があったら記事にしようと思います。

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