新卒ガチャ回の2回目です。
前回は、SIerに勤務している私が大企業の新卒ガチャの実態についてお伝えしました。
専門性と業務がマッチしているにも関わらず配属されない話や、最初にどのような上司の下に付くかによって圧倒的に差が付く話などを、以下の記事で赤裸々に紹介しています。

今回は、大手企業のSIerで新卒ガチャを乗り越えた身として、自分や周りを見て新卒ガチャの際にやっておいた方が良いと思うことをご紹介します。
去年の私に教えてあげたいです。
大企業の新卒ガチャ対策と、外れた場合の対処

新卒ガチャを経験してみて、「この人さすがに希望落ちたりしないだろうなあ…」って思った人がいましたし、そういう人はほぼ希望通りに配属されていました。本記事ではそれらの経験を踏まえ、その人たちがやっていたことをご紹介します。
また、万一ガチャに失敗してしまった場合に、転職すべきか否かについても考えてみたいと思います。
筆者のプロフィールについては以下です。
筆者のプロフィール
- 大手SIerのSE
- 2019年に新卒で上記の会社に入社し、2年目に突入
- 過酷なガチャに(一応)(比較的)勝ち抜いた
大企業の新卒配属ガチャ対策の3つの方法

残念ながら大企業には、
- 最先端の技術を使って新しいことに挑戦している部署と、今までの既得権益で商売しているものの先細りが確定している部署
- 花形の部署とそうでない地味な部署
など、色々な部署があります。新入社員はみんな将来性のある部署に行きたいでしょうし華やかな仕事がしたいので、希望は偏ってしまうのが現実です。
その中で、これをやっている人が比較的希望の部署に配属されやすいかな…と思ったのが以下の3点ですので、順番に解説していきます。
- インターンや就活の時からやりたいことをアピール
- 入社後にお偉いさんに希望の部署をアピール
- 配属面談の際に、行きたい理由を深堀りして説明
インターンや就活の時からやりたいことをアピール
入社ガチャは配属面談で決まるのではありません。入社時のESや、もっと言うとインターンから始まっています。
最強だったのは、インターンで行った部署のお偉いさんたちと仲良くなった人です。
インターンに参加し、その経験を使ってESや配属面談で同期より具体的にアピールすることが出来る、さらにお偉いさんにも覚えてもらえているとなれば、ほとんどその部署に配属されると思います。
そこまでいかなくとも、ESの段階でより具体的に志望動機を書き、面接でもその業界のことを調べながら深堀りした志望動機を話すことが出来ていた同期も希望通りの配属をされていました。
入社前から主張が一貫していることや、やりたい職種や分野の性質を調べながら希望を言ったことから、熱意があるとみなされたのだと思います。
「インターンや就活の時からやりたいことをアピール」のまとめ
- インターンに参加している
- インターンで人脈を作る
- ESにやりたいことを具体的に書き、面接でもアピール
- やりたい仕事についてより詳しくリサーチし、面接で志望動機を深堀りして話す
入社後にお偉いさんに希望の部署をアピール
入社してから配属面談までに、お偉いさんによる部署の説明会や座談会が行われる場合があります。自分が行きたい部署があれば、その部署のお偉いさんに質問をしたり話しかけに行ったりなどして、積極的にアピールしましょう。自分の専門性や強みがあれば、そのアピールを絡めながら質問が出来るとGoodです。
「せっかく大企業に就職したのに媚び売るようなことしなくちゃいけないのか…」と思われるかもしれませんが、残念ながら2020年現在、ガチャは人力で行われています。
(少しでも早くHR Techなどを導入して最適化が図られることを願ってやみません。)
組織で円滑に仕事をしたり、自分にとって快適な環境を得るためには、専門性などの前に根回しが重要です。筆者は1年間大企業に勤めてこれを学びました。
「少しアピールするだけで自分の会社員人生が良いものになる可能性があるなら安いものだ」と思って、頑張りましょう。
ここでのコツは、誰が新人の配属を決めているかを予め確認しておいた方が効率的です。
大企業だと職種が決定→所属が決定 など、複数回にわたり配属ガチャが行われ、それぞれ違う人が決めていると思いますが、大体の会社では上記のお偉いさんが出てくる説明会や座談会の際の配属決定は、そのお偉いさんたちによるドラフト会議が行われています。
先輩社員や人事に確認してみるのもありかもしれません。
「入社後にお偉いさんに希望の部署をアピール」まとめ
- 入社後に希望の部署のお偉いさんがいたら、自分を売り込みに行く(覚えてもらう)
- 専門性や自分の強みを積極的にアピール
- 誰が新人配属の決定を行っているのかを聞いてみる
配属面談の際に、行きたい理由を深堀りして説明
一応公式の場ですし、やはり配属面談が最大の山場となります。
ここで、「なぜその部署に行きたいか」を説明する際に、上記で何回も出てきていますが、「行きたい理由を深堀りして話す」ということが大事です。
例えば、「インフラ屋さんになりたい」のであれば、理由として以下のように述べれば良いのではないかと思います。
- インフラ屋には他と比べて○○という性質がある
(希望の部署のことや業界の性質を出来るだけ詳しく調べてみる) - ××という理由で自分に合っていると思う/興味がある
(自分が上で述べた性質と合っていることを理由付きでアピール)
また、将来のキャリアプランを考えることも重要ですので、5年後や10年後にどのような人になっていたいかも説明しましょう。
例えばエンジニアなら、技術を磨いていきたいかマネジメント側に回りたいかなどです。
「配属面談の際に、行きたい理由を深堀りして説明」
- 行きたい理由を話す際に、希望の部署や関わりたい分野などについてできるだけ詳しく調べておく。
- 自己分析し、上記と組み合わせて「なぜ興味があるのか」「なぜ自分に合っているのか」をできるだけ深堀りして話す
- 5年後、10年後にどうなっていたいかの長期のキャリアプランを話す。
新卒ガチャに失敗してしまったときの対処法

たとえ最善を尽くしても、残念ながら希望通りの配属にならなかったり、ブラック部署やブラック上司に当たってしまう可能性は十分にあります。
そのような場合、ざっくり言えば「転職するか否か」という選択肢があるかと思いますが、それぞれについて詳しく解説していきます。
結論は、転職すべきか否かはもちろん場合によりけりで各々の判断です。
しかし、転職するなら早めにした方が良いです。
転職するなら、早めに考える
想定しているのは以下のような場合です。
- 意味を感じられない・学びのない業務内容がずっと続く
(例:Excelにスクリーンショットを貼り付け続けたりとか
参照:『Excelにスクリーンショットを貼り付ける仕事で鬱病になった話』) - どうしてもやりたいことがあったのにそこから大きく外れてしまった
(例:どうしても開発がやりたかったのに拡販や運用保守をやらされている) - 激ヤバパワハラ上司に当たってしまい、交代してもらえる見込みがない
何もかも希望通りに行く人は多くはないと思うので、やってみたら意外と楽しさがあると分かったり、上司に恵まれてやりがいを感じる人も中にはいるでしょう。
ただし、「どうしても受け入れられないと感じたとき」や「この先状況が改善する見込みがない」場合には、なるべく早めに転職を視野に入れるのがいいと思います。
転職するなら早めの方が良い理由は以下の2つです。
- 心身の健康が失われる前に逃げ出すべき。
心身の健康が第一です。 - 数年経ってしまったらポテンシャル採用ができなくなってくるため。
一定の年齢を超えたら、何かのエキスパートとしてスキルが求められます。
学びの得られないような仕事内容を何年も続けたのちに転職しようとしても難しくなります。それなら出来るだけ早く転職して新しいことに挑戦すべきです。
数年間耐えて、異動する
ある程度改善の見込みがある場合もあり、少しづつ改善を重ねながら数年間耐えるのも一つの手です。
せっかく大企業に入りましたしね。
- ブラック上司に当たった場合、部署内で上司を変えてもらう
- 数年経ったら社内公募に応募できる場合があるので、それを待つ
- 上司にやりたいことを積極的に伝える。
新しい案件が来たらアサインしてくれるかもしれません。
上記のような方法で状況を改善できる可能性はあります。
ただし、改善できなかった場合に転職しようとしても機を逃している場合もあるので、どれくらいの確率でうまくいきそうかというのはきちんと計算しましょう。
まとめ
新卒ガチャは中々厳しいですが、結局大企業なので根回しや積極的なアピールをしながらより可能性が高い方へ持っていくしかないのかな…と思います。
大企業でも今は終身雇用が保証されない時代ですから、どんどん新入社員側の負担は大きくなっている気がします。改善してほしいですね。
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