大手のSIerに入社して丁度1年が経過しました。
1年乗り越えて会社の様子や同期たちを見ていると、「SIerの新卒ガチャ本当にきっついな、なんとかなんないのか…」って何回も思っているので、今回はそれらの実体験を記事にしていきたいと思います。
大手SIerの新卒ガチャについて

新卒で大企業に内定が決まると、長きにわたる配属ガチャが始まります。
何回にもわたる配属ガチャ(大企業だと職種、部など複数回に渡って行われます)、上司ガチャが行われます。自分が携わりたい分野や活かしたい専門性がある場合は、「こんなはずじゃなかったのに…」ということが普通に起きます。
さらにそこに上司ガチャが加わり、運が悪いとずっと単純作業だけやらされたり放置されたり、炎上しているプロジェクトに入ってしまったりということが起こりえるのです。怖いですね。
一応、自分のプロフィールを載せておきます。
筆者のプロフィール
- 大手SIerのSE
- 2019年に新卒で上記の会社に入社し、2年目に突入
- 過酷なガチャに(一応)(比較的)勝ち抜いた
新卒ガチャとは?

ここでの新卒ガチャとは、「大企業が総合職の枠で新卒を一括採用したときに、職種・部署・仕事内容・上司・教育担当がほとんど運で決まってしまう」という状態を指します。
下記の「問題だと思うこと」で詳しく書きますが、結局何で決まっているのかよく分からない(強いていうなら弊社の場合は熱意??)だったため、ソシャゲのガチャに喩えられます。
(「新卒ガチャ」って言葉が生み出されて問題意識を持たれているのは素晴らしいことだなと思います。この時代に生まれてよかった。)
①配属ガチャ(関わる分野)
会社によりますが、大体内定後に、職種とか、大体関わる分野とか、フロントかそうじゃないかとか、ざっくりとした所属の面談があるような気がします。
理系のジョブマッチングだとある程度決まった状態でポスト別採用を行っている場合もありますが、職種や分野がここで決まる場合は、内定後から数か月で「システムのインフラを支えたい」「金融に関わりたい」などの希望が潰える場合があります。
②配属ガチャ(所属)
- トレンドを踏まえた花形部署になるか、 将来性の無い先細りが確定している部署になるか
- (フロント業務・設計などの)希望の仕事ができるか、希望とは異なる興味がなく専門性を活かすことができないプロセスを担当することになるのか
- 業績が良い部署に入ってボーナスがたくさんもらえるか、赤字部署になってボーナスが少なくなるか
- 上記の内定後面談で決まる場合もありますが、東京勤務なのか、地方の支社勤務なのかもここで決まる場合があります。
といったことが決まります。
自分の専門性や適性を活かして活躍することができるのか否かや、将来に発展していきそうな仕事が出来るのか否かがこのガチャで決まるのです。
また、所属の業績によってボーナスの額が変わる場合がほとんどですが、いち新入社員にはどうしようもありません。
②上司・教育担当ガチャ
上司ガチャや教育担当のガチャも侮れません。
自分の希望や適性を見ながら仕事を振ってくれ、フィードバックを行ってくれるという上司もいますし、単純作業しか振ってくれない、そもそも面倒見てくれなくて仕事を振ってくれない、人手不足でいなくなった人のカバーさせられる、めっちゃ残業させられるみたいな事例も耳にします。
(ちなみに私は前者の上司で、難易度の高い仕事に挑戦させてくれて、きちんとフィードバックやカバーを行ってくれる良い上司に恵まれました。うれしいです。他のガチャ結果については微妙なのもありましたが…。)
文字にすると当たり前のことですが、周りを見ていて本当に思うのが『社会人の最初の数年でどの上司に当たるかで成長度が圧倒的に変わるし、その後のキャリアが変わっていく』ということです。
仕事のやり方(チームとのコミュニケーションの取り方や調整の方法)を仕事ができる上司のもとで直接教えてもらえたり見て学べたり、入社数年の失敗しても比較的許してもらいやすいうちに色々挑戦できる環境が与えられるか、プロジェクトの全体像や仕事のやり方も分からないまま単純作業に回されるのか。
数年後に歴然とした差がついているのは当たり前です。
しかし、残念ですが、我々には上司を選ぶ方法はありません。
(会社によっては部署の中で上司を変えてもらうことは可能ですが、それでも選択肢はいくつかしかないです。)
私が思う新卒ガチャの深刻な問題点

その新入社員が向いている仕事がどんなものなのかが評価できないような数十分の面談で内定が決まり、その後も適性や能力は測られないまま面談で会社の都合により新入社員が振り分けられていくのですよね…。
具体的に問題だと思うことを下記に挙げました。
新卒ガチャの問題点①:本人の適正や専門性をガン無視することも
ある分野において会社を引っ張れるような専門性を持っている人や、バリバリ開発できる人がその能力を全く活かせない配属をされている状態を結構見ます。
私の周りだと、旧帝早慶情報系大学院卒でバリバリコード書いてましたし○○に興味あります!みたいな人が希望の興味分野の開発部署に入れず、全くコードを書けない女性がその部署に入ったりしてました(その方もそこが第一志望じゃなかったので、ある意味被害者です)。
二人とも被害者だったので変えればいいのにって周り皆思っていましたし、理由はいまだによく分かりません。
あと、本人も希望を出しているにも関わらず明らかに交渉上手い子がフロント部署に行けないということも見ました。お互い勿体ないなあと思いますね。
新卒ガチャの問題点 ②:新入社員側があまりにも無力
当たり前ですが、新入社員側は決定に従うしかありません。
頑張って資格を取ったり、配属面談で何を言おうか頑張って考えたり、祈るくらいのことしかできません。
「こんなことになるくらいだったら、きちんと職種が決まっていたベンチャーや少し小さい企業に行っておけば…」みたいなことを悔やんでも、辞めるか飲み込むかしか選択肢はないのです。
新卒ガチャの問題点③:失敗した場合に(少なくとも数年)救済手段がない
失敗した場合、同じ部や課の中でやりたい業務があれば自らの適正や専門性をアピールしながら積極的に手を挙げれば任せてもらえる場合があり、多少の改善は可能であると思います。
また、同じ部や課の中だったら上司や教育担当も変えてもらえる場合もあるでしょう。
(亀裂が生まれるので注意です。)
ただし、本社に戻りたいとかそもそも関わりたい分野が違うとか開発部署に行きたいのに開発部署じゃない等、所属をまたいだ異動は少なくとも3年は難しいように見えます。
新卒ガチャの問題点④(おまけ):SEのガチャの当たり外れは激しすぎる
SEといっても様々なプロセスがあり、本当に幅広いため当たり外れが本当に激しいです。
システムの要件定義や設計などはプロセスとしてすぐ思い浮かぶ人も多く、希望通り配属された人の中で自らの長所を活かせる業務を担当できる人もいます。
ただし、延々とエクセルやワードで仕様書を書き続けたり、理系修士卒でエクセルで延々とスクリーンショットを貼り付けたりする(参照:『Excelにスクリーンショットを貼り付ける仕事で鬱病になった話』)ことになると本当に地獄です。
気を付けましょう、と言いたいところですが気を付ける手段もありません。
コロナウイルス感染の危険に晒される客先常駐SE
また、勤務地の当たり外れもかなり大きく、SEというものは往々にして客先常駐が発生します。もちろん客先常駐になるか否かも配属ガチャ次第です。
私は客先常駐ではないのですが、客先常駐の人たちに対して今までは「客先常駐大変そうだな~居心地悪そう」とか、「自社都合の作業(研修や事務作業など)やるのに制限が掛かって大変そうだな」などとふわっとして思っていたのですが、今は認識を改めました。
コロナで客先常駐の人たちは出社し続けなければならず、在宅勤務の対象外になっているからです。
環境の問題で客先常駐以外にも出社している人はいますが、契約の問題で全員出社し続けなければならないケースがあります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
在宅勤務でコロナウイルス感染のリスクを下げられるか、客先常駐になったから出社しなければいけないかもガチャです。
この問題の根深いところは、働き方改革が進んでいるホワイト企業を選んで内定をもらっても、客先常駐になってしまったらお客さんが在宅勤務を許可しないと在宅勤務はできないため、意味がないというところです。就活生の皆様には気を付けて欲しいです。

まとめ
私は新卒ガチャについてはそこそこ恵まれた方でしたが、振り返ってみると周りを見てかなり理不尽な制度だなと思い始めてしまい、怒りのこもった文章になってしまいました。
もう1回1年目やってよと言われても新卒ガチャが怖すぎて絶対に無理です。
次の記事では、希望の部署に配属されやすくなる方法と、もしもガチャが上手くいかなかった場合に転職すべきかそうでないのかについて考えてみました。
勝負は就活から始まっています、早めに知って対策するのが大事ですので、是非ご覧ください。

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