会社の同期などに聞かれることがあったので、次に何を受けたらいいのかについて主観でざっくりと書いていこうと思います。
筆者は2019年秋(社会人1年目)に応用情報技術者試験、2020年秋に安全情報確保支援士、2021年5月にAWS-SAAに全て一発合格しました。
SIのアプリ開発のマネジメントをしたり、その傍らで手が足りないところがあれば自分でスクリプトをちょっと書いているくらいの社会人3年目のSEの視点です。
前提と資格一覧(情報処理技術者試験/ベンダ資格)
当たり前の大前提ですが、今の業務に関連があるものや会社として勧められているものがあればそれを受けましょう。
大まかに分けて以下のような資格があるので、それぞれについて解説していきます。
これらの中でも、引き続きIPAの情報処理技術者試験かAWS認定試験を受けるのがおすすめです。
- ITの国家資格
- IPA 情報処理技術者試験
- ITのベンダ資格
- AWS認定試験
- Google Cloud 認定資格
- オラクルマスター
- シスコ技術者認定試験 など
- その他試験
- 簿記
- 統計検定
- FP
応用情報技術者試験の次に受けるべき情報処理技術者試験は?
高度試験の区分一覧

応用情報技術者試験試験(AP)を受けた後は、高度区分(上の図のピンクの部分)を受けることになります。
春期のみ実施されるのが、ST, SA, NW, SM 秋期のみ実施されるのが、PM、 DB、 ES、AUで、SCは春秋両方実施されます。
また、午後II試験は論述式と記述式に分かれており、論述式はST、SA、PM、SM、AU、記述式はNW、DB、ES、SCになります。
APに合格した方は、続けて高度区分を受けることがおすすめです。理由は、合格してから2年間は午前I試験が免除になることと、国家資格なのでベンダ資格に比べて汎用的な知識が問われることと有効期限がないことから、一度取っておくと腐りにくいからです。
一番最初におすすめなのはSC

この中で最初に受けるのは、SCがおすすめです。理由は以下の2点です。
私の周りのSEも、APを取った人で次に情報処理技術者試験を受ける人は大体SCを受験しています。
(下2つの理由には入れませんでしたが、春秋両方やっているので受験しやすいです。)
1.高度情報技術者試験に比べて難易度が低い
SCは論述式ではなく記述式ですし、合格率も他の高度情報技術者試験よりも高いです。
SCはここ何回かは合格率20%を超えていますが、SC以外の高度区分の試験は14~19%くらいです。APも21~24%なので、APとそこまで変わらない合格率になっています。
(詳しい資料はこちらから見ることができます。)
実際に受けて合格した感想としては、実務経験がなくてもAPの延長線上の知識ベースで勉強すれば、専門の業務経験がなくても問題が解けそうな気はしました。(NWやDBの方が専門性が高く、実務やってないとそんなん知らんわ!みたいな問題が出ている印象です。)
ただ、暗号や認証、ネットワークのセキュリティなどの知識が必要ですがとっつきにくく苦手な人もいる印象ですので、受験を決める前に一度参考書や過去問を見てみることをおすすめします。
SCの試験の概要や難易度、勉強方法については以下の記事でより詳しく解説しています。

2.実務の中で広く使える
高度区分の中では、ネットワークとセキュリティが実務で広く使える分野となると思います。
私も、SCを取って実際に業務に役立っています。
OSSのセキュリティの管理や社内の開発環境のネットワークの管理を部署の誰かがしなくてはいけないので、SCを取ってる人がセキュリティの有識者として担当することがあります。
2~5年目の下っ端が資格を持っているとこういうことをやらされるのですが、実際にやってみると経験が積めて更に知識として定着するのでメリットだったかなと思います。
また、担当しているシステムの構成やアカウントの権限周りなどについてセキュリティに問題がないか検討する機会もありました。直接知識が役に立った!ということはそこまでないのですが、若手のうちに資格を取ったことで仕事の幅が広がったので取って良かったなと思いました。
SCの次はNWかPM
SCの後はお好みですが、NWもSCと同様に業務内容に関係なく活かしやすい試験だと思います。こちらもSCと同様に記述式ですが、求められる知識量がかなり多く難易度が高いと感じました。私は過去問を見て受験をやめました…。
あとは完全に私個人の環境の話になりますが、上司にはマネジメントをする立場になることを期待されているので、PMを勧められました。私と同じように、元受けベンダーとして仕事をしている人は受けてみても良いかもしれません。
ベンダ資格 人気なのはAWS認定試験?

AWS認定試験がトレンド
こちらのブログによると、2020年11月の日経コンピュータの記事では、アンケートを取って作成した資格の保有効果ランキングや取得したい資格のランキングが掲載されていました。
保有効果ランキングは1位PMP、2位がシスコ資格、3位~9位が情報処理技術者試験で、10位がAWS認定各種となっていました。
取得したい資格のランキングでは1位がAWS認定各種、2~6位が情報処理技術者試験でした。
今は保有効果を実感している人がほかの資格と比べて多くないかもしれませんが、多くの人が取りたいと感じているトレンドの資格と言えると思います。
私の周りでも、AWSに直接関わりがない業務をやっている人でもAWS認定試験に取り組んでいる人が多いです。情報処理技術者試験とAWS認定試験は、受験のノウハウが部署内で共有されています。
AWS認定試験の区分と難易度
AWS認定試験の試験区分は以下のようになっています。

私はAWS-SAA(アソシエイト-Solutions Architect)を受験して合格しました。AWS認定試験を初めて受ける人は大体これを受けると思います。
SAAに必要な勉強量は、FEやAPの午前試験対策と同じくらいという体感でした。
APに受かった人が同じくらいの勉強をするつもりで計画を立てれば、余裕をもって合格することができると思います。
他のベンダ資格について
他のベンダ資格は業務に必要になったら取るくらいの位置づけでよいというのが私の認識です。
ベンダ資格は情報処理技術者試験に比べて受験料が高いですし、有効期限があるものが多いので、無理して取るくらいなら情報処理技術者試験を受けた方が良い気がします。
私の部署だと、シスコとオラクルの資格を取っている人が1~2人くらいいるかな?くらいです。
(AWS認定試験の資格を持っている人は6~7人います。)
その他の試験

簿記/FP
簿記は、企画系やビジネスの観点の検討をする業務がある場合は取っておいた方が良いと思います。
私は財務諸表の読み方は雰囲気でなんとなく分かるくらいの理解度ですが、偉い人にレビューをしてもらうときに指摘事項の基本的な用語が分からなくて困ったことがあったので、取っておいた方が良かったなと思ったことがありました。
FPは最近取ってる人をよく見ますが、業務にはあまり関係ない気がします。
統計検定
統計検定など、IT系以外の資格も取っておくと素養として役立つかもしれません。会社で取ってる人はあまり見かけませんが、大学院時代に取っている人がいたので一応載せておきます。
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