仕事を始めて「うまくアウトプットできない」と悩んで樺沢紫苑さんの『アウトプット大全』を読んだので、その内容や実践しようと思ったことを書き残します。
『アウトプット大全』をオススメする人

下に詳しく書きますが、この本はアウトプットについての考え方(アウトプット重視で考えていくべき)や行動の仕方から、アウトプットを行う際の話し方・書き方まで広い範囲が書かれています。
全部で80個のポイントが図鑑のような形式で順番に解説されているので、自分の好きなところだけちょくちょく読むのが良いと思いますし、効率的な使い方が出来る本だと思います。
広い範囲について筆者の考え方を網羅的に学べるので、私のような新入社員には向いていると思います。一方、一つ一つの内容はもっと詳しく書かれている本がたくさんあると思うので、今まで多くの本を読まれてきた方にとっては目新しいことが少ないかもしれません。
また、もっと特定の部分で悩みを持たれている方も、それに対して詳しく解説されている本を読まれた方が効果的かもしれません。(例えば、営業でうまく話せないからセールストークを学びたいといった方は、それに特化した本を読んだ方がよいと思います。)
難易度:★☆☆☆☆【星1つ】
ポイントの部分の文字が変わっていたり図がたくさんあったりして、とても読みやすいです。(伝わる書き方を教えている本なのに分かりにくかったら問題ですが)
オススメ度:★★★★☆ 【星4つ】
『アウトプット大全』の構成と内容

『アウトプット大全』の目次
目次は以下のようになります。アウトプットの方法といっても広く、アウトプットに対する向き合い方や良質な結果を出すための努力に始まり、それを伝えるための話し方・書き方まで解説されています。
『学びを結果に変える アウトプット大全』の目次
- CHAPTER1 アウトプットの基本法則
- CHAPTER2 科学に裏付けられた、伝わる話し方
- CHAPTER3 能力を最大限に引き出す書き方
- CHAPTER4 圧倒的に結果を出す人の行動力
- CHAPTER5 アウトプット力を高める7つのトレーニング法
次に、この各チャプターの内容を要約していきます。
アウトプットの基本法則:アウトプットによって現実世界を変える
インプットをしているだけでは人は「わかったつもり」になっているだけで知識として定着していません。アウトプットをすることで成長し、現実世界を変えることができる、と樺沢さんは指摘しています。
- 「話す」「聞く」を3回繰り返して長期記憶に保存する
- 「インプット」:「アウトプット」=3:7
- アウトプットの結果をフィードバックして次に活かす
といったことがポイントとなるようです。
伝わる話し方:必要なのは入念な下準備
- 「事実」に「自分の感想」や「意見」を盛り込むと話に価値が生まれる
- 開始前に目的や自分が何を学びたいかを自分に問いかけることで学びの方向性が決まる
- 議論には、場数を踏むこと、感情と議論を切り離すこと、流れを予想して対策することがポイント
- 説明するときには、最初にポイントを話す、一分を短く話す、権威を使って説得力を増す、数値を使うなどを行うと分かりやすくなる
能力を引き出す書き方:思考の軌跡をノートに手書きで書いていく
- 読んだ本や考えたことを「手書き」でノートに書いていくと宝の山が生まれる
1冊のノートに全て書いていくと良い - 上手な文章を書くには、たくさん読んでたくさん書くというサイクルを回す
- 文章を早く書くには、書き始める前に「書く時間(30分や1時間など)」と「構成」を決める
- 気づきをなるべく早くメモする
- 「要約」する練習も必要で、Twitterがオススメ
結果を出す人の行動力:
- 本を読んでそれをノートに書いても行動しなければ意味がない
- 「続ける」ための秘訣は、今日やることだけを考える、楽しみながら実行する、目標を細分化する、結果を記録する、結果が出たらご褒美をあげること
- 最強のアウトプット法の1つは、「人に教えること」
人に教える前提でインプットするだけで記憶力が上がるし、教えることで自分の理解度や不明点が明確になる - コンフォートゾーンを超えた、実現可能で少し頑張れば達成できるプチ目標をうまく設定
- やる気が出ないときも「とりあえず」5分だけでいいからとやってみるのが重要
- トライをしなければ永久に今のまま、結果は「失敗」ではなく「エラー」
- 楽しいとドーパミンが分泌され、記憶力やモチベーションがアップ
アウトプット力を高めるトレーニング法:
自分向けに記録するなら「日記」、「健康についての記録」、「読書感想」が良く、
他人向けには「情報発信」、「SNS」、「ブログ」、「趣味について書く」ということが挙げられ、それぞれについてポイントが紹介されています。
これらを行うことで得られるメリットは以下です。
- アウトプット能力が高まる
- 自己内省力、心の耐性が高まる
- 「楽しい」を発見する能力が高まる
- ストレス発散になる
- 幸せになる
他人向けの発信では、以下のメリットも追加で得られます。
- フィードバック効果が高い
- 緊張感が出る
- 情報と人が集まる
- 評価される
- 取材・出演・仕事の依頼が来る
どの方法でも、質にこだわらず、少しの時間でいいのですぐ/毎日書き続けることがポイントのようです。
『アウトプット大全』を読んで実践したいと思ったこと・感想

各チャプターの要約を見てお気づきの方も多いかと思いますが、アウトプットに対する考え方を書いている1章については新しい考え方であるものの、話し方や聞き方、行動については目新しいことが少なく、基本的なことが書かれているのみに留まる本です。
ただし、色々なエッセンスが1冊にまとまっており持っていれば長く役立ちそうなので、買って良かったと私は思います。
せっかくなので、この本に書かれていた読書感想の方法で以下書いてみます。
(Beforeと気づきとTODOの3部構成で、最初に一文で書いて肉付けしていくと良いそうです。)
Before: 私は今まで、仕事上ではメモを取っていましたが、それ以外ではパっと思いついたことを携帯のメモやEvernoteに秩序なくメモしていました。また、面倒くさくてメモをしないことが多かったです。
このせいで後から思い出せなくて損をしているなと思うことが多々ありました。
気づき: この本の「ノートを1冊用意して、思考の軌跡やインプットを手書きで書く」という方法は原始的ですが、後から辿りやすく、過去の思考を積み重ねることができるとても良い方法であると感じました。
TODO: そこで、私はノートを用意して、自分の「気づき」や次につなげる「TODO」を整理したいと思います。また、それを人に共有してフィードバックを得ることで、自分のアウトプットの質を高めていきたいと思います。
2020/4/26現在、Amazonで試し読みができるようですので、気になった方は項目ごとにどれくらいの解説があるのかを見てみて、購入するのが良いのではないかと思います。
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